【A1】 解決センターは、「あっせん」という手続きにより個別労働関係紛争を解決に導くところです。あなたが困っていることがどんな状況にあるか、また、それを解決するためには、どういう方法をとったらいいかなどについて、まずは、お近くの社会保険労務士会の「総合労働相談所」におたずねください。
総合労働相談所では、あなたの相談の内容から、解決センターに申し出ることが問題解決にとって
一番いい方法であると判断すると、解決センターと連絡を取ってくれますので、その指示に従っていただくようお願いします。
※平成22年5月10日現在、連合会と22箇所の都道府県社会保険労務士会が
「かいけつサポート(認証紛争解決サービス)」として法務大臣の認証を受けています。
各地の社労士会労働紛争解決センターについての情報はこちら
をご覧ください。
【A2】 解決センターで対象とするのは、個別労働関係紛争だけです。つまり、労働契約(解雇や出向・配転に関することなど)やその他の労働関係(職場内でのいじめ、嫌がらせなど)に関する事項についての、個々の労働者と事業主との間の紛争が「あっせん」の対象となります。したがって、労働組合と事業主との紛争(集団的労使紛争)、労働基準法等の労働関係法上の法規違反や労働者と事業主との間における私的な金銭貸借問題は対象にはなりません。
また、解決センターでは、募集、採用に関係した紛争及び退職後の紛争も対象外になります。
集団的労使紛争は、都道府県労働委員会に相談することが一般的ですし、労働関係法規違反は
労働基準監督署に相談・申告することが問題解決への近道でしょう。
【A3】 申し立ては、本人が直接行うことができますが、専門家の力を借りるために特定社会保険労務士や弁護士に代理人を頼むこともできます。
特定社会保険労務士は社会保険労務士のうち、
所定の研修を受けて、「紛争解決手続代理業務試験」に合格した者です。また紛争の目的価額が60万円を超える場合には、特定社会保険労務士が単独で代理人となることができず、弁護士と共同して代理人となることが必要です。
【A4】 解決センターが用意した用紙に、
1.申し立ての年月日
2.申立人の住所、氏名
3.相手方の住所、氏名
4.紛争の概要(いつ、どこで、誰が、誰に、どんなことをしたか、又はされたか。)
5.解決を求める事項(申立人は、どういうふうにしてほしいのか。)などを記入していただきます。また、紛争についての関係資料等がありましたら申し立て時に提出してください。
【A5】 1.申立書の内容を審査して、解決センターで対象とする事案であれば受理されます。
2.申し立ての内容を相手方へ通知し、相手方があっせんに応ずる意思があるか否かを確認します。
3.相手方からあっせんに応ずるとの意思表示があった場合、当事者の都合を確認して、解決センターが、期日(あっせんを行う日)を指定し、7日前までに通知します。
4.期日前に、相手方から答弁書(申し立ての内容について認めるか、あるいは否認するか、又は、申し立てについての反論とその理由を簡潔に記載した書面)及び紛争に関する資料を提出していただき、1回の期日で和解の成立を目指します。ただし、紛争の内容が、複雑困難な場合等、特段の理由があるときは、複数回の期日が開かれることもあります。
5.和解が成立した場合は、あっせん委員が作成する和解契約書の案に当事者双方及びあっせん委員が立会人として署名押印し、和解契約書を作成してあっせん手続は終了します。
6.1ないし5の期間は、おおよそ1ヶ月を見込んでいます。
7.相手方が、あっせんに応じない場合は、そこであっせん手続きは終了します。
【A6】 連合会の解決センターでは申し立て1件あたり3,150円(消費税含む。)が必要です(例えば、事業主からのパワハラ被害の防止について申し立て、和解の内容として、パワハラの即時中止と今までの精神的苦痛に対する慰謝料の請求の2つについて申し立てても1件として扱います。)。
なお、申立書が正式に受理された後、相手方が、申し立てに応ずる意思がないとき又は
あっせんにより和解が成立しなかった場合等であっても費用はお返しできません。
※費用の取り扱い等は、連合会と他の社会保険労務士会の解決センターとでは異なりますので、事前に申し立てをする解決センターに確認をお願いいたします。
【A7】 解決センターに設置されている専用の個室(非公開で秘密を守るため)で行われます。
また、あっせんは、連合会の解決センターでは原則として、毎週水曜日と毎月第2土曜日の午前10時から午後8時までの希望する時間に行うこととしています(12月29日〜1月4日及び祝日を除く。)。
※あっせんを行う日時等は、連合会と他の社会保険労務士会の解決センターとでは異なりますので、事前に申し立てをする解決センターに確認をお願いいたします。
【A8】 和解の仲介は、労働問題に精通した社会保険労務士である「あっせん委員」が、当事者の自主的な紛争解決の努力(話し合い、譲り合い)を尊重しつつ、公平かつ適正に「あっせん」の手続きを行い、かつ、紛争の実情に即した迅速な解決を図っていきます。
具体的には、あっせん委員が当事者双方からの主張を聴いたうえで、和解案を双方に示すなどにより、最終的には「和解契約書」にまとめることで解決に導きます。
【A9】 あっせん委員は、当事者又は代理人からその主張、理由、説明などを求め、要点を確認して、粘り強く互いに譲り合うことを勧めます。しかし、お互い譲らず、和解が成立する見込みがないと判断した場合には、そこであっせん手続は和解不成立となり終了します。
【A10】 申立人が、同じ内容の紛争について裁判所で訴訟中の場合、当事者の共同申出により、裁判官の決定で訴訟手続は一時中止され、解決センターのあっせん手続が優先される場合があります。
また、時効によって権利を失うおそれのある事案の場合において、あっせん委員が和解の成立する見込みがないことを理由にあっせん手続を終了した場合に、当該事案について終了の日から1ヶ月以内に訴えを提起したときは、解決センターが申し立てを受理し、被申立人に申立書が到達した時点(申立の請求内容が特定できる場合に限る。)で時効が中断され、時効によって権利を失う不利益を心配することなくあっせん手続に専念することができます。
【A11】 社会保険労務士の中から、労働問題に精通し、かつ、個別労働関係法制に関し造詣が深く、都道府県労働局の紛争調整委員会の委員経験者や裁判所の民事調停委員の経験者等、紛争解決の実務経験及び能力を有する者から、原則として2名が、解決センターの所長により選任されます。また申立事案の内容により、弁護士があっせん委員に加わる場合もあります。
【A12】 当事者は、あっせん委員についてあっせんに公平な実施を妨げる事情があるときは、 解決センターに忌避を申し出ることができます。そして、その申出が相当であるときは、当該あっせん委員を忌避できます。また当事者の利害関係人、親族、後見人等は、あっせん委員にはなれません。
【A13】 裁判とは違い、あっせんにより個別労働関係紛争を解決するという点では、両者は共通していますが、次のような違いがあります。
第一は労働局の紛争調整委員会は、行政が実施しているのに対して、解決センターは、運営経費のほとんどが社会保険労務士の会費により成り立っていることです。すなわち、解決センターは、社会保険労務士の社会貢献活動の一環として行っている民間のADR機関であるということです。このため、解決センターでは、経費の一部に当てさせていただくため、あっせん手続申し立て時に申立費用をいただくことにしています。
第二は、紛争に目的価額(例えば、退職金として○○円支払ってほしい)が60万円を超える場合、あるいは超えると予想される場合に、代理人を立てて申し出を行おうとすると、労働局では、目的価額にかかわらず特定社会保険労務士が単独で代理人を務めることが可能ですが、解決センターでは特定社会保険労務士が単独では代理人になることができず、弁護士と共同して代理人とならなければなりません(このことは社会保険労務士法第2条第1項第1号の6に規定されています。なお、別途弁護士費用が発生します。)。
主な違いは以上のとおりですが、そのほかの「時効の中断」や「訴訟手続の中止」の効力(Q10参照)については両者に違いはありません。
【A14】 あっせん委員の許可及び相手方の同意があれば、上司や同僚があっせん期日に出席して意見を述べることができます。
【A15】 相手方への申し立ての趣旨を通知して、相手方が、この申し立てに応ずる意思がない場合は解決センターでのあっせんはできず、事件は終了します。また、相手側からの不利益処分(嫌がらせなど)を受けた場合には、解決センターにご相談ください。
【A16】 原本の場合は、その場で写をとり原本はお返しします。その他の提出された資料などは、あっせんが終了するまで解決センターで厳重に管理し、あっせん手続終了時には、そのままお返しします。
【A17】 あっせん委員及び申し立てに携わる解決センターの職員には、守秘義務が課せられており、その秘密が外部に漏れることは一切ありません。ただし、当事者の氏名等が特定されない形で研修の資料等に利用させていただくことがありますので、あらかじめご了承願います。
なお、万一、秘密を漏らした者がいた場合には、厳正に処分されます。
【A18】 和解の成立以外で事件が終了する場合は、
1.相手方が、申し立てに応ずる意思がないとき、2.当事者の一方が正当な理由なくあっせん期日に欠席し、又は当事者の一方が和解する意思がないことを明確にするなど、あっせん委員が和解の成立の見込みがないと認めたとき、3.申立人が、書面又は口頭で取り下げを求めたとき、4.相手方が、書面又は口頭で手続き終了を求めたとき、5.当事者の一方が死亡したときなど、にはあっせん手続は終了します。
【A19】 苦情の申し出があった場合には、解決センターの内規により苦情相談員を選任して、責任を持って処理にあたり、公正かつ誠実に対応します。









