2022年度政策提言・宣言

連合会は、2023年3月6日、人事労務管理や社会保険の実務に携わる社労士の視点に基づく提言として「人を大切にする企業と社会の実現に向けて」(政策提言・宣言)を公表しました。

連合会は、『「人を大切にする企業」づくりから「人を大切にする社会」の実現』をコーポレートメッセージに様々な活動を展開しており、本件は多様で柔軟な働き方の創造、導入及び浸透を目的に、働き方改革の専門家としての実務・知見に基づいた提言及び宣言を行うものです。

本提言の取りまとめにあたっては、全国の社労士から広く意見募集を行い、とりわけ柔軟な働き方の推進を中心とする働き方改革の流れを阻害している法制度や、現場で不公平・非効率な運用を生んでいる法規制など、現行法制度において改善すべきと思われる点として17項目の提言を取りまとめました。また、「働く」ことの価値観や働き方などが多様化するなか、社労士は人的資本経営の専門家であることを宣言しています。

連合会は、本提言を起点として、労働法・社会保障制度及び人事労務の専門家であり、労使双方の視点を併せ持つ社労士の知見に基づく政策提言を、今後も継続的かつ積極的に発信します。

2022年度政策提言・宣言「人を大切にする企業と社会の実現に向けて」(2023年3月6日公表)

政策提言 項目一覧

提言1. 育児・介護と仕事の両立支援

  • 1-1. 産前産後休業期間の見直し
  • 1-2. 育児休業および介護休業の取得要件にかかる労使協定適用除外の見直し
  • 1-3. 育児休業期間における社会保険料免除要件の見直し
  • 1-4. 介護休業期間における社会保険料免除等改正

提言2. 多様な働き方の推進

  • 2-1. 兼業・副業における労働時間通算による割増賃金支払いの撤廃
  • 2-2. 在宅勤務者の雇用保険適用手続きの簡素化
  • 2-3. 短時間労働者への休憩時間の付与

提言3. ダイバーシティの推進

  • 3-1. 65歳前後の退職で受けられる失業等給付の支給日数の格差是正
  • 3-2. 高齢者にかかる無期転換ルールの一律適用除外
  • 3-3. 100人以下企業における障害者雇用調整金の拡充

提言4. 年次有給休暇の取得促進

  • 4-1. 時間単位年休の時季指定日数からの控除対象への見直し
  • 4-2. 年次有給休暇取得日における賃金計算時に採用する賃金の統一化
  • 4-3. 紹介予定派遣から直接雇用へ移行時の年次有給休暇の取扱いの見直し

提言5. 労働者の健康確保

  • 5-1. ストレスチェック実施の人数要件の撤廃
  • 5-2. 小規模事業所への健康管理支援体制の見直し
  • 5-3. 産業医の紹介支援体制の構築

提言6. 公正なセーフティーネットの整備

  • 6-1. 年金の毎月支払い

<宣言>人的資本経営の実効性確保に向けて

近年、「ビジネスと人権」や非財務情報に関心が寄せられており、「人」に関する様々な情報やデータに着目すると、法律によって公表が義務化されている項目と、ISO30414など法律の枠組みとは別の視点で、企業戦略の一環として開示を促すような項目とに大別できます。

前者が規制的アプローチであるのに対して、後者は自主的アプローチである。これを企業戦略の一環として捉え、その戦略を遂行するための人材獲得、教育、処遇設計などの人材戦略につなげる取り組みを行うことにより、効果的な事業創出と事業執行に資するものとなる。そのため、人的資本の自主的アプローチ部分は、独自性が発揮しやすく、また自社の存在意義を示すことで企業の付加価値向上にもつながるため、企業規模・業種を問わず、今後の重要な経営視点となると考えます。

「人」を起点とするインプットやアウトプットは、イノベーションや事業執行において持続可能性を内外に示すうえでも重要であり、企業規模問わず経営労務監査等が必要となる。特に労務コンプライアンス及びコンプライアンス・プラスアルファの未整備な中小企業・小規模事業者を中心に整える使命が社労士にはあると考え、社労士業界を挙げて、人的資本経営の実効性確保に向けた支援を積極的に行うことを宣言いたします。